小学一年生の次男が、音読の下手さを個人面談で指摘されました。
日頃の宿題でも、音読のみならず、問題を読むのも下手だなと感じていた矢先。
「やっぱり・・・」
先生に指摘され、納得したものの、じゃあどうしたらいいのかという思いがつのるように。
思い返すと、長男も音読は苦手でした。
しかし、長男の場合は文字を読むというよりも文章を覚えてしまうという性格で、1度目の音読は下手でも回数を重ねるごとに、文字を見なくてもスラスラいうようになってたんです。
つまり、長男の場合は何度も繰り返し読むことが改善策となったわけですが、次男の場合は何度読んでも変化が見えない。
そう・・・うちの長男・次男みたいに、ひとえに「音読が苦手」といってもタイプがあり、克服法もそれぞれ異なるんです。
そこで今回は、音読が苦手という方・音読が下手な子をもつ親御さんに向け
- 原因
- 克服法
を説明したいと思います。
音読が苦手・下手な原因は?
まず知っていただきたいのが、音読が苦手・下手というのにも、種類があるということ。
つまり、ひとまとめにこうしたらいいという方法はないんです。
自分・お子さんは、どのタイプに当てはまるのか?
まずはそこを知り、それぞれにあった克服法を試すことが重要です。
- ひらがな・漢字が単純にわかっていない
- 活字慣れしていない
- 視覚の問題
- 発達障害
ひらがな・漢字が単純にわかっていない
このタイプは、まず完全にひらがなやカタカナ、漢字を覚えきれていないことが原因です。
つまり、覚えていない文字を頭の中で思い出そうとしながら読んでいるために、音読がたどたどしく詰まってしまうという状態。
小学一年生などでは、1文字ずつは覚えていても、
- 「っ」(小さな「っ」の読み方)
- 「 ゛」「 ゜」「ゃ ゅ ょ」(濁音( ゛)半濁音( ゜)拗音(ゃ ゅ ょ))
- 「ー」(伸ばす音)
などが理解できていない可能性があります。
活字慣れしていない
耳で音を聞き理解することは問題なくても、文字を読む音読では苦手意識が出てしまい、たどたどしくなってしまうタイプです。
最近、小さな頃からyou tubeやTV・ゲームに慣れ親しんでいるという子が増え、絵本すらなかなか目にする機会が少ないという子が多い現状。
そのため、市町村などでは活字に慣れ親しんでもらうため、1歳健診などで絵本の贈呈をする地域も。
しかし、一冊を読んでいただけでは活字には慣れません。
小さい頃から、多くの文字・絵本に親しんでいなかったからこそ起こる問題です。
視覚の問題
- 白い紙に黒い文字が捉えにくい
- どこを読んでいるかわからなくなる
- 文字を飛ばしてしまう
- 読むスピードが安定していない
- 区切る箇所がわからない(息継ぎができなくなる)
- 勝手に言葉を作り変えてしまう
などが、視覚の問題にあたります。
これは、目の動かし方・見え方に問題があるのかもしれません。
黒板が見えづらく感じる、TVを近づいて見てしまう子の場合にも、こういう問題が生じている可能性もあるでしょう。
発達障害
発達障害の中でも、音読を苦手とするものがあります。
これは学習障害の一つで、これは知的・視覚・聴覚には問題がないものの起こるものです。
ただ、読む・書く・話す・計算するなどを苦手とし、その中で音読が苦手な場合「読字障害(ディスレクシア)」の可能性があります。
これは視覚の問題と違いがわかりづらいものの、
- 一文字ずつしか文字を捉えられない
- 行や文字を飛ばし読みしてしまう
- 似ている文字を認識できない(「わとれ」「るとろ」など)
- 語尾や文末を間違える
- どこを読んでいるのかわからなくなったり、とばしてしまう
- 聴力の問題はないものの、言われた言葉を聞き間違えたり、素直に理解できない
などがその特徴です。
小学校に入学する前から、文字に興味を示さなかったり聞き間違い・言い間違いなどが多かったお子さんが多く、文字(ひらがな・カタカナ・漢字)を覚えられなかったり、忘れやすかったりすることも・・・。
スティーブン・スピルバーグや、トム・クルーズもこの読字障害(ディスグレシア)をカミングアウトしています。
タイプ別音読の苦手を克服
ひらがな・漢字が単純にわかっていない場合の音読克服法
まずは、字を正確に覚える必要があるでしょう。
- 読みたい本を書き写す
- 単語を書き出す
- 漢字の読みと送り仮名を覚える
などが効果的です。
基本的なことですが、読むだけでなく、書いて覚えることで脳にインプットさせましょう。
とくに漢字などでは、音読み・訓読み・送り仮名を勉強することが効果的です。
また、濁音・半濁音・拗音が苦手な場合には、やはり書いて発して(読んで)覚えるのが音読克服への近道。
コツコツと練習、覚えることが重要です。
活字慣れしていない
日頃から活字に慣れ親しむことが、音読克服への近道です。
とにかく文字を読むこと。
子供の場合は、文字の少ない絵本からはじめましょう。
大人の場合は、漫画からでもかまいません。
音を消し、文字に注目できる環境を作りましょう。
ただ、いきなり小説のような文字に取り組むと、さらに苦手意識が増すことも。
焦らずコツコツと、1日のうち5分・10分・1冊・2冊からでも「今日はこれを読む」と決め、取り組みやすいことから挑戦するのがいいでしょう。
視覚の問題
眼科に行っても、問題を指摘されないことがほとんど。
それは、普通の眼科では「目の動き」・「視覚での捉え方や記憶力」・「音韻処理」・「読みの速さ」・「聴覚からの記憶と認知」・「書字能力」まで調べることが少ないからです。
ただ、そういった視覚の問題を検査してくれる眼科もあるので、対応してくれる病院を探して検査してみるという方法もあります。
ですが、特訓によって改善することは可能です。
その名もずばり「ビジョントレーニング」。
- 意味のない文字を読み取る練習
- 囲みを用いて読む練習
- 1文字を探す練習
などが効果的です。
意味のない文字を読み取る練習
まず、紙に意味のない漢字を書きます。
数文字ずつ行間をあけるといいでしょう。
それを縦読み、横読みする練習をするのです。
意味のない文字というのは、非常に読みにくく感じますよね?
ですが、これを繰り返す読むことで、文字に注目する練習・文字を読み取る練習になるのです。
意味のない言葉だからこそ、覚えにくいので、読む力がつくんですよね。
囲みを用いて読む練習
文字を広い視野で見てしまっているために、どこを読んでいるかわからないという問題が生じます。
そのため、その視野を狭め、単語・行に注目しながら読むという方法です。
定規に横幅数センチのくりぬきがある感じです。
白地が認識しづらいという場合には、他の色を用いてもいいでしょう。
それを読みたい箇所に当て、ずらしながら読んでいくという方法です。
指をさしながら読むというのが苦手な方には、オススメな方法で、目のポイントを絞る練習になります。
1文字を探す練習
本を開き、そこから数字や文字だけを探すという方法です。
これには、「ウォーリーを探せ」や「ミッケ」などの絵本も見つけるというという意味では効果的ですが、何を探すのか、問題文を読むことも挑戦するといいでしょう。
発達障害
まずは視覚の問題を含め検査をしどこが悪いのか調べたり、小児科や市町村の発達支援センターなどでWISC-IV(ウィスク・フォー)という知能検査を受ける方法もあります。
しかし、障害を知るよりも、どうサポートしたらいいかを考えた方がいいかもしれません。
というのも・・・
海外では授業にマイパソコンを持ち込んで授業を受けられるなどの対応がありますが、日本では読字障害(ディスレクシア)の診断基準・機関が確立されていないため、それに対応している学校等はなかなかありません。
ただ、特訓によって前向きに克服することは可能だといわれています。
- 読んでもらったものを真似して読む
- 文字におこす(手書きやパソコン打ちでも)
- 文章に区切る箇所を入れてやる
など、フォローしてあげることが効果的です。
「むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。」という文章だったら
お母さん「むかしむかし」
お子さん「むかしむかし」
お母さん「あるところに」
お子さん「あるところに」
というように、区切った単語ごとに親が先読みし、それを繰り返すように読むことで音読の助けとなるでしょう。
最後に
音読が苦手という方・お子さんをお持ちの方に向け、お話ししていきました。
- ひらがな・漢字が単純にわかっていない
- 活字慣れしていない
- 視覚の問題
- 発達障害
という原因が隠れているかもしれませんね。
うちの場合、漢字は読めるもののどこを読んでいるかわからない問題がしばしば生じ、黒板も同様に見にくいというため、視覚の問題が怪しいと考えています。
ただ、眼科に行っても問題は指摘されませんでした。
そのため、これ以上原因を突き止めようとするのは子ども自身の負担(追い詰めること・できないことを意識させてしまう)にもなると考え、親がフォローし一緒に練習していくことに力を入れたんです。
まだ完璧ではありませんが、文字枠を作り読ませる、区切り線を教科書に書き込むということをやっています。
物語はまだたどたどしいものも、漢字が好きで、漢字の多い詩のような「。」までが短い文章は驚くほどスラスラ読めるようになりました。
何事も練習です。
こうやって、短い文章から挑戦し、徐々に長い物語へと挑戦を考えています。
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