念願叶ってマイホームを建設中のAさん。
ずっと賃貸暮らしだったため、憧れの持ち家です。
同じく現在建築中のマンションを購入しているママ友のBさんと話をすると、ちょっとだけ浮かない顔です。
Aさんは実家にいたころからずっと賃貸暮らし。
そのため、固定資産税なんて払ったことがありません。
Aさんは、Bさんと一緒に税金に固定資産税について調べてみることにしました。
毎年の支出になる固定資産税、どれくらいになるか気になりませんか?
今回は…
- そもそも固定資産税って何?
- 一戸建ての場合の平均は?
- マンションの場合はどうなるんだろう?
- 固定資産税が高くなる原因って何があるの?
など、固定資産税について、お伝えします。
そもそも固定資産税とは?
固定資産税とは、土地・家屋および償却資産に対し、それらの資産的な価値を評価した価格に対し、課される税金のことをいいます。
毎年1月1日時点で固定資産を所有する人に対して、翌4月1日からの1年分の固定資産税が課されます。
ちなみに、国ではなく市町村(東京23区は特例として都)が徴収することになっているんです。
さらにお住まいの市町村によっては都市計画税というのがかかってくることも。
都市計画税とは、土地区画整理事業や、都市計画事業(たとえば道路や下水、公園などの整備など)にあてるための経費として徴収される税金のことをいいます。
ご自身のお住まいの自治体に都市計画税の徴収があるかどうかは、市役所の資産税課など、固定資産を取り扱っている部門にお尋ねください。
固定資産税は大体4月から6月ごろ、お住まいの自治体から納税通知書が届きます。
結構な額になりますので、4回にわけて払うのが一般的ですが、もちろん一括の納付も可能です。
固定資産税はクレジットカードで支払える自治体もあります!
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
一戸建ての場合 固定資産税の平均は?
まず固定資産税の税率ですが、戸建てやマンションは関係なく、一律で決まっています。
この固定資産評価額というのがとても重要になってきます。
あくまで概算にはなりますが、Aさんの例を見ながら計算方法などを見ていきましょう。
Aさんの新築一軒家
土地の購入価格:1,800万円(120平米)
建物の建築費用:1,800万円(100平米)
まず土地について見ていきましょう。
土地にかかる固定資産税
土地の評価額は、国土交通省が定める土地の公示価格(土地の時価のようなもの)の70%として計算されます。
今回は新築ですので、土地の購入価格=時価のため、購入価格の70%が評価額です。
次に、嬉しいことに税金の軽減制度が適用されます。
人が住む住宅用地については、200平米以下の場合は評価額×1/6、201平米以上は評価額×1/3になるんです!
Aさんの取得した土地は120平米ですので、評価額は1/6になるんですね。
土地の固定資産税評価額は140万円ということになります。
ということで、土地の固定資産税は…
ですね。
それでは続いて建物の方を見てみましょう。
建物にかかる固定資産税
建物の場合でも、建物の時価が評価額になります。
この評価額というのは、「同じ建物を再構築するときにかかる費用」のことです。
なので土地のときと同じく、新築の場合は建設費用=時価になりますね。
ですが、建築費用には住宅メーカーや不動産屋の利益が入っているため、実際の時価よりも少し高めです。
そのため、建物の場合でも建築費用の70%の評価額とします。
建物の固定資産税評価額は1,260万円になったので、建物の固定資産税は…
ここで求められた固定資産税ですが、新築の建物のため、軽減制度が導入されます。
なんと新築時から3年間、固定資産税が半分になるのです!
なので、Aさんの建物の固定資産額税は…
となります。
一戸建の固定資産税の平均
Aさんは3年目までが117,600円、4年目以降205,800円になる見通しです。
気になる固定資産税の平均額ですが、土地によってかなりの差があるほか、建物も様々ですので、明確な平均はありません。
土地が1~5万円、建物が10~20万円くらいになるでしょうか。
なので、それを合わせた合計の平均が12万~25万前後だと思われます。
建物には減価償却という制度があります。
古くなった建物は、新築より価値が下がっていきますよね。
固定資産税は3年ごとに見直しが入るので、例外もありますが、固定資産税も経年でどんどん下がっていくことになります。
マンションの場合 固定資産税の平均は?
それでは、Bさんも土地と建物に分けて固定資産税を概算で求めてみましょう。
Bさんの購入した新築マンションは、4,200万円(内消費税160万円)でした。
マンションの購入価格には「建物代」「土地代」そして「消費税」が含まれています。
この「消費税」というのは「建物代」にしかかかりません。
なのでBさんのマンションの建物代を計算していくと、以下の通りになります。
Bさんの新築マンション 購入価格3,800万円(うち消費税160万円)
建物部分:消費税額160万円÷消費税率8%=2,000万円(100平米)
土地部分:購入費用3,800万円−建物代金2,000万円=1,800万円
共有部分の考え方について
マンションにはエントランスや廊下、お庭など…共有部分というものがありますよね。
もちろんこれらも土地や建物になりますから固定資産税がかかってきます。
マンションの課税対象としての土地ですが、専有部分と共有部分を足した土地になります。
この共有部分の固定資産税については、マンションの所有者でわけることになるんですね。
この分け方ですが、ご自身の専有面積を、マンションすべての専有床面積で割った持分割合で求めることができます。
Bさんの専有面積は100平米、マンションの総床面積は2,000平米です。
なので、Bさんの持分割合は100分の2,000と登記されています。
土地部分にかかる固定資産税
さて、Bさんの固定資産税の計算に移ります。
土地部分の評価額の計算方法については、実は戸建てとまったく同じなんです。
今回も新築マンションの購入ですので、土地は時価と同じとします。(この価格は共有部分も含まれての購入価格になります)
注意したいのが軽減措置。
戸建ての部分でわかった通り、土地の評価額を1/6にできるのは200平米以下の土地なのですが、これは按分した共有部分を含みます。
Bさんのマンションの共有部分は600平米。
なので先ほどの持分割合を用いてBさんの負担となる共有部分を計算すると…
ということになります。
Bさんの専有面積は100平米ですから、共有部分の負担分30平米を足しても200平米には届きません。
Bさんはマンションの固定資産の評価対象が200平米以下とわかったところで、あらためて固定資産税の計算です。
土地の購入価格を70%にし、軽減措置で1/6になり、固定資産税率の1.4%をかけるんですね。
建物部分にかかる固定資産税
続いて建物の方を見てみましょう。
建物についても、戸建てと計算自体は同じなんです。
ちょっと違うところがあって、それが新築マンションに対する固定資産税の軽減制度。
戸建ての場合、新築だと3年間固定資産税が半額になりましたね。
ですが、新築マンションの固定資産税は、5年間も半額になるんです。
ということで、Bさんの建物の固定資産税は…
新築から5年間は…
Bさんのマンションは、長期優良住宅という認定を受けているんですね。
長期優良住宅とは、簡単にいうと「長く住み続けることができるようにさまざまな工夫を施してある」ことが国に認められた家のことを言います。
家自体の耐久性や耐震性の高さや、内部の配管などの交換がしやすく維持管理にも優れているなどなど。
厳しい認定基準ではありますが、長期にわたって使用出来る住宅というお墨付きもらえ、税制面やローンなどで多くのメリットを受けられます。
固定資産税でいうと、半額期間が2年間延長されるんです。
これはマンションだけでなく、戸建てにも適用になります。
固定資産税の平均
Bさんは7年目までが73,500円、4年目以降122,500円になる見通しです。
計算方法が同じなので、実際のところそこまで変わりませんね。
こちらも平均はそこまで変わらず、土地が1~2万円、建物が9~12万円くらい。
それを合わせた合計の平均が10万~14万前後だと思われます。
大体、固定資産税は月1万円前後かかる、と考えるのがいいでしょう。
もちろん、都道府県によってかなり異なります。
とくに東京などの都市部は土地そのものの価格がかなり高騰していますので、戸建てもそうですが、平均を大幅に超えてしまいます。
あくまで平均として見てください。
固定資産税が高くなる原因は?
土地について
- 近くにショップングモールや新しい駅ができる
- オリンピックで注目度があがる…
- 逆に、路線が廃止になった。災害で土地の弱さが明らかになった…
土地の価格って、実はいろいろな理由で上がったり下がったりします。
Bさんのママ友は、大型ショッピングモールが付属した駅が新設される人気の土地に家を買いました。
そのため、土地の価格が平均より高かったのです。
建物について
建物は建設費用だけでなくて、実はいろいろかかっていますよね。
- 大掛かりなシステムキッチン
- 床暖房
- 埋め込みのエアコン…
こうした備品についても、固定資産税が課されるのです。
最初にあげた償却資産に似ているように思われますが、少し違います。
システムキッチンや床暖房はそれ単体ではあまり意味をなさないですよね?
家屋と一体になってはじめて役に立つので、建物の付属設備として、評価額に加算していくという形になるんです。
ちなみに償却資産とは工場で使われる機械や、商店で使われるレジなどが対象です。
ですが、こうした付属設備であがる固定資産税は、上がったとしてもせいぜい年額1万円程度。
せっかく建てるマイホームですから、こだわって、気に入って作ったほうがいいのでは、と思います。
まとめ
それでは、今回のまとめです。
- 固定資産税とは、土地や家屋に対して毎年かかってくる税金のこと
- 戸建ての場合、平均は土地代1〜2万円と建物代9万〜12万で、合計が10〜14万ほど。
- マンションの場合も合計が10〜14万なのは変わらないが、減税期間が長い。
- 固定資産税は地価や付帯設備などで上がることも多い。
固定資産税は毎年かかってくる上、たしかに高額です。
ですが、毎年かかる税金のために妥協するよりも、自分の納得する家に住みたいですね。
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