要介護認定の申請手続きをすると、自宅に市町村の担当者が訪ねて来て、介護を受ける本人やその家族から聞き取り調査を行います。
この自宅での調査のことを訪問調査といいます。
知らない人が自宅にやって来て根掘り葉掘り聞かれるのかと思うと、緊張しますよね!
うちの親が訪問調査を受けた時は、普段来客の少ない私の実家に久しぶりにお客さんが来るということで、母は数日前から落ち着かない様子でした。
認知症が出始めて判断力が低下した母から、「お茶とコーヒーどっちを出したらいいと思う?」
「明日、誰かが来るって聞いてたけど、誰が何しに来るんだっけ?」
と毎日のように電話があったのを思い出します。
当日、初対面の人に母はかなり緊張していていましたが、この日調査に来てくれたケアマネージャーとはその後何年間も両親ともにお世話になり、母も父も本当に信頼していました。
調査を受ける本人が緊張してしまっても、せめて同席する家族は落ち着いて調査に答えたいところ。
今後の介護に関わってくる重要な調査なので、後悔することなく調査を終えるために、前もって準備をしておくことが大切なんで。
そこで今回は、介護認定調査で行われる訪問調査について、
- 調査とは?
- どんなことを聞かれるの?
- 訪問調査は一度きり?
という疑問に答えながら、訪問調査当日までに準備しておきたいことも含めて解説していきますね。
介護認定の流れ
認定が下りるまでには、どんな調査があるのでしょうか?
それぞれどんな内容なのか、説明しますね。
一次判定
市町村の窓口で申請を行うと、後日自宅での訪問調査が行われます。
訪問調査は、介護を受ける本人の普段の様子やどんな困りごとがあるのかを家族が調査員に伝えるチャンスです。
この訪問調査と、市町村から作成依頼を受けた主治医による意見書を参考に、コンピューターが判定を出します。
認知症の介護保険認定が厳しくなっています。認定調査員を孫の先生と勘違い、張り切ってお茶を出して、認定外になってしまった方も。「トイレが間に合わず漏らす」「お金を盗られたと家族を責める」など、ご本人の前で言えないことはお手紙で。認知症はわかりづらい。伝える工夫が必要です。#認知症
— satomi_inoue (@satomiot) 2017年12月22日
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どんなことをすればよいか、のちほど解説します!
二次判定
コンピューターによる一次判定の結果と主治医意見書、その他の書類を参考にしながら、介護認定審査会が開かれます。
医療や福祉に詳しい有識者によって開かれる認定審査会で、最終的な要介護度を決定。
要介護度の決定
申請から30日ほどで、認定結果と介護保険被保険者証が郵送されてきます。
万が一、認定結果に納得がいかない場合は、不服申し立てか区分変更申請を出して、再度調査をしてもらうことも可能です。
母の介護認定が下りた。1か2ぐらいかと思っていたら予想に反して一気に5が下りた。ありがたい。これで全サービスが最大限利用できる。誰だ?国はなんしもしてくれないなんて書いた奴は?(村田くみ) 介護疲れとかしないよう、先ず自身の健康と趣味を犠牲にしないように活用させて貰おう。
— 銀星王 (@ginseiou) 2018年1月11日
介護認定調査にあたり準備しておきたいこと
安心しました!
一度で納得のいく判定をしてもらうために、訪問調査の前に準備しておきたい5つのことを紹介しますね。
- メモを用意しておく
- 質問項目を把握しておく
- これまでにした病気・ケガをまとめておく
- 家族が同席できるよう調整する
- 体調管理
1、メモを用意しておく
訪問調査は、1時間程度です。
この短い時間で、調査員が本人の状態を100%理解することは不可能ですよね。
家族が普段の様子を伝えることが重要になってくるのですが、うっかり伝え忘れがあっては大変です。
前もって、本人の普段の様子やどんな介助が必要か、また気になる行動(その頻度も)などをメモにしておいて、それを見ながら調査を受けると安心ですね。
本人がいる前では伝えにくいことがある場合は、調査員に渡せるようなメモを用意しておくのもいいでしょう。
ケアマネージャーさんが母の介護認定更新のためのチェックにやってきて、いつも以上に頑張って身体を動かす母を目撃。おいおい…そんなに頑張らなくていいんだよ。缶コーヒーで一服中。
— 貝沢伸一 (@chamkyshinchan) 2018年1月11日
本人がいない時を見計らって、調査員に普段の様子を伝えましょう。
2、質問項目を把握しておく
訪問調査で行われる質問は
- 身体機能…立ち上がりや歩行など
- 生活機能…食事やトイレなど
- 認知機能…自分の名前を言えるか、短期記憶ができるかなど
- 精神・行動障害…突然大声を出す、感情が不安定など
- 社会生活への適応…買い物や調理ができるかなど
といった幅広い項目があります。
この質問は全国共通の74項目と決まっており、ウェブ上でシミュレーションを行うことも可能。
あらかじめ質問項目を把握しておけば、普段の行動を観察する目安にもなりますね。
こちらの記事に、質問の一例を載せています。参考にどうぞ!
3、これまでにした病気・ケガをまとめておく
過去の病気やケガが、要介護度を決める上で重要になってくる場合もあります。
これ、私は失敗しました。
父は私が幼い頃から何度か脳梗塞を繰り返しており、ここ10年くらいの間に誤嚥性肺炎や骨折での入院も数回あるのですが、恥ずかしながら回数や時期を把握していません。
頼みの綱の母は認知症で私の名前もわからない状態なので、もう誰も(父自身も)父の既往歴について正確に説明できる人はいないのです。
訪問調査だけでなく、その後の施設入所の際にも必要になってくる情報なので、ぜひこの機会にまとめておくとこをオススメします!
4、家族が同席できるよう調整する
訪問調査では、家族からの情報が重要になってきます。
普段の様子を客観的に伝えるのはもちろんのこと、毎日の生活でどんな介助を行っているか、介護サービスを使わない生活がどんなに大変かを調査員に伝えるという目的も。
調査日程は事前に連絡がくるので、仕事の休みをとるなど調整をして、同席するようにしてください。
5、体調管理
たった1時間程度の調査といっても、見知らぬ人が家に入ってきてあれこれ質問を行うので、負担に感じる方もいるでしょう。
体調管理に気をつけ、元気な状態で調査を受けるように心がけましょう。
体調を崩して調査日を延期するとなると、家族の予定にも差し障りますね。
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介護認定調査は更新時にまたある?
要介護認定には、次のような有効期間があります。
- 新規申請…6か月
- 更新…12ヶ月
- 区分変更…6か月
この有効期間の60日前から、更新の申請が可能。
通常は、担当ケアマネージャーが手続きを代行してくれます。
更新は、申請時と同じように訪問による調査と主治医による意見書、さらに介護認定審査会によって判定。
更新調査は担当ケアマネージャーが行うことが多く、訪問調査の時間は30分程度となります。
まとめ
要介護認定調査についてまとめると
- 訪問調査や主治医意見書によって要介護度が決定される
- 訪問調査にあたって、次のような準備をしておくとよい
- メモを用意しておく
- 質問項目を把握しておく
- 既往歴をまとめておく
- 家族が同席できるよう日程調整をする
- 体調管理に気をつける
- 要介護認定には有効期間があり、更新する時は再度調査を受ける必要がある
いかがでしたか?
私の母は訪問調査に緊張してしまい、いつもは書ける自分の名前を漢字で書けなかったんです。
やはり、家族が普段の状態を伝えることが大切なんだと実感しました。
「良く見せよう」とか「こんな些細なことは伝えなくてもいいかも」と思い込まず、いつもの様子をできるだけ詳しく伝えることで、現状に相応しい認定結果をもらうことができますよ。
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