今は元気でも、いつか必要になってくる親の介護。
「まだまだ先の話」と考えていたのに、転んで骨折をしたら元のように歩くことができなくなり、突然介護が必要になったなんて話もよく聞きます。
私の場合は、遠方に住む両親に代わって祖母の介護施設を探した経験があります。
それまで介護についての情報に無関心だったため、何から手をつけてよいのか分からず苦戦しました。
そこで今回は、介護施設について
- かかる費用
- 施設の特徴
- 相談窓口
- 探し方
などをお話ししたいと思います。
いざという時に慌てないためにも、前もって知っておくと安心ですよ。
親の介護施設費用はどれくらいが相場?
今回は
- サービス付き高齢者向け住宅
- 住宅型有料老人ホーム
- グループホーム
- 介護老人保健施設
- 特別養護老人ホーム
について紹介します。
サービス付き高齢者向け住宅(略して「サ高住」)
「まだ介護は必要ないけれど、一人暮らしをしている親のことが心配。」
という場合には、安否確認や生活相談サービスが受けられるサービス付き高齢者向け住宅がオススメです。
「サ高住」と略されることの多いこの施設は、バリアフリーの賃貸住宅で、個室にキッチンや浴室が備わっているため、自宅と変わらない生活を送れます。
食堂が完備されている施設の場合は、自炊と食事提供を選択することも可能。
入居時に一時金として、0円~300万円程度が必要になる場合があります。
月額は15万円~30万円程度ですが、都会よりも郊外の方が安い傾向があるようです。
住宅型有料老人ホーム
自立した方や、介護度の低い方が対象の介護施設です。
介護が必要な場合は、外部サービスを利用することができます。
食事の提供や日常生活全般におけるサポートを受けることが可能。
入居時に数千万円といったまとまった一時金を支払うことで、終身利用権を取得することができますが、一時金を用意できない方のために一時金0円プランを設けている施設もあります。
月額は12万円~30万円程度ですが、外部の介護サービスを利用する場合は別途費用が必要になります。
グループホーム
認知症を患い、自宅での生活が困難な方のための介護施設です。
入居は65歳以上で要支援2・要介護1以上の認定を受けている、施設所在地に住民票を持つ方が対象となります。
認知症に対して正しい知識を持つ介護スタッフが常駐し、生活支援や介護サービスを受けながら家庭的な雰囲気の中で生活を送ることができます。
入居一時金は0円~20万円程度、月額は10万円~30万円程度で、要介護度によって変わってきます。
介護老人保健施設(略して「老健」)
親が病気やケガで入院していた病院を退院することが決まっても、実際に自宅でこれまで通りの生活を送れるのかどうか不安な場合がありますね。
そういった場合に利用できるのが、介護老人保健施設(老健)です。
65歳以上の要介護1以上の方が対象となり、在宅復帰を目的としたリハビリを受けることができます。
入居一時金は不要で、月額8万円~15万円程度。
自宅での生活が可能と判断されると、退所しなければなりません。
特別養護老人ホーム(特養)
認知症や寝たきりの方でも入所が可能で、費用も月額10万円前後と安い特別養護老人ホーム(特養)。
24時間体制で介護が受けられ終身利用も可能ですが、入所は要介護3以上の認定を受けている方が対象です。
なかなか空きが出ないのが特徴で、申込みをしてから入所まで数ヶ月、数年待ちといった場合も珍しくありません。
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お金がない場合はどうしたらいいの?
年金だけでは月々の支払いに不安があります。
各自治体に、介護や福祉等に関する窓口「地域包括支援センター」が設置されています。
介護費用不安がある場合も、知識の豊富なスタッフに相談してみてはいかがでしょうか?
特別養護老人ホームや介護老人保健施設には、所得段階に応じて入所費用が安くなる制度もあります。
また、どうしても金銭的に施設への入所が難しい場合は、訪問介護や通所介護を利用することもできます。
介護施設の探し方
- 担当ケアマネージャー
- 市役所等
- 地域包括支援センター
担当ケアマネージャー
既に要介護・要支援認定を受けて介護サービスを利用されている場合は、担当ケアマネージャーに相談するといいでしょう。
市役所等
まだ介護認定を受けていない場合は、市役所等に問い合わせてみてください。
各自治体の介護施設をまとめた一一覧がありますよ。
地域包括支援センター
介護や福祉に詳しいスタッフが対応してくれます。
どういった施設に入居するのがよいのかなど不明な点がある場合も詳しく説明してもらえます。
気になる施設が見つかったら、実際に見学してみるといいですね。
資料を見るだけでは分からない、スタッフや入居者の雰囲気を確認することができます。
前もって知りたいことや不安な点をまとめておけば、見学の際に確認することができ、安心して施設を決めることができますね。
介護施設探し!私の体験談
まず、私は介護認定を受けた祖母の担当ケアマネージャーさんとの面談を重ねました。
その際、
- どんな施設があるのか?
- いくらで入所できるのか?
- 月に何日入所できるのか?
- どこにあるのか?
- 祖母に合った施設はあるのか?
という質問を投げかけました。
結果、祖母の介護認定の等級では、ショートステイを繰り返すことを勧められ、「月に○日間施設に入所し月に家で○日介護する」という方法をとることに。
そして見つかった市内の介護施設。
とにかく空きを見つけるのが大変だったので、唯一空いていた施設を選び祖母に入所してもらいました。
その施設は豪華な家具が並び、「ホテルのような暮らしができるね。」
なんて言っていたのですが、1週間して祖母に会いに行くと、涙を流して「帰りたい」と訴える祖母・・・。
痴呆などはなかったものの、足の片方をベッドに縛られ、手が届く場所には鈴が・・・そして、トイレには長蛇の列。
施設側の言い分としては、
「何かあったら困るので、みなさんそうしてもらってます。」
「介護職員が足りていないので、行ける時に時間制でトイレに行ってもらっています。」
「何か用のある人は、鈴で鳴らして職員を待つようにお願いしています。」
とのこと・・・
あまりにも祖母がかわいそうだと、モチロン他の施設に変えることに。
ケアマネージャーさんも、入居者に地方の人が多かったため、ここまでは把握していなかったとのことでした。
そこで次に見つかった施設は、市外で料金は少し高めになるものの、評判が良かったところが「ショートステイなら」とあけてくれたのでそこにしました。
前回のことがないように、以前よりも短めの期間で様子見のショートステイです。
すると、そこの施設は、
- 介護職員さんが、皆明るく挨拶してくれる
- 入居者に役割をくれる
- ロビーに皆が集まる
- お楽しみイベントもある
など、祖母も「ここなら」という感じで、その後は一度ショートステイで入所したことで、優先的に決められた期間入れることになりました。
介護職員さんが個人的な人生相談まで投げかけてくれ、「内緒だけど」と彼氏と行った旅行でのお土産までくれたり、新しい入居者のお世話係(実際には話し相手)を祖母に任せてくれたりと楽しい日々が過ごせたようです。
このことから、施設は
- 常に空きが多い施設は、何らかの原因もあることを考えて
- 施設は見た目のキレイさで選んではいけない
- 評判はとても大事
といったことが言えるでしょう。
「そもそも親の介護って子供の義務なの?」と疑問に思った方は、こちらを参考にしてみて下さい!
関連記事) 親の介護は義務なの?しない場合どうしたらいい?
まとめ
今回のポイントをまとめます。
- 相場は、施設のタイプや要介護度によって大きく変わる
- サ高住…一時金0~300万円、月額15~30万円
- 住宅型有料老人ホーム…一時金0~数千万円、月額12~30万円
- グループホーム…一時金0~20万円、月額10~30万円
- 老健…月額8~15万円
- 特養…月額10万円前後
- 老健や特養には、所得段階に応じて費用が安くなる制度もある
- 施設探しに困ったら、担当ケアマネージャー・市役所・地域包括支援センターに相談
長期でお世話になる可能性の高い施設なので、簡単に決めるわけにはいきませんよね。
費用を払い続けることができるのか、親が幸せに暮らすことができるのか。
入居してから後悔をしないよう、様々な施設を見学してみてくださいね。
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