公害ってよくテストにも出ますが、工場のけむりや排水以外に、何があるんですか?
公害といっても、色々な種類があり、またそれによってこうむるえいきょうもことなります。

中学受験でも重要な、公害が原因で起こった様々な環境問題について

  • 公害の種類
  • 環境問題への影響

などを、わかりやすく解説します。

途中、問題もありますので、ときながら理解を深めましょう。

公害の種類とは?

戦後、日本の工業は重化学工業を中心に発展し、暮らしは豊かになってきました。

ですが当時の政府や会社は、環境を守ることよりも、工業の発展に力を入れていたため、空気や水の汚れを引き起こし様々な害が出ることに・・・

これを、公害といいます。

公害の種類としては、以下のようなものがあります。

  • 騒音・振動
  • 大気汚染
  • 悪臭
  • 水質汚濁
  • 土壌汚染
  • 地盤沈下

公害による環境問題への影響

まず、公害による苦情の内訳は、以下の通りです。(2017年度の公害の苦情数6万8115件)

公害の苦情として、1番多いのは大気汚染ですが、2番目に多いのは何でしょう?

  • いやなにおい
  • 水のよごれ
  • 騒音

正解!

不正解...

正解は騒音です。

2番目に多い苦情は、騒音です。

問題に戻る

このような公害で、実際どのようなことが起こったのか、次に説明します。

騒音・振動

高速道路や空港の周辺で起こる公害です。

交通量の多い高速道路や空港の周りでは、音や振動により、近隣住民の日々の負担となり、体調が悪くなる人が次々に出ます。

そういった問題を避けるため、近年作られた空港の中には、海上のうめたて地など、周辺に住宅がない場所に建設されるものもあります。

    大気汚染

    工場や火力発電所などから出た煙(けむり)や、自動車の排気ガスなどによって空気が汚れることを、大気汚染といいます。

    空気が汚れると、暑い日などに光化学スモッグが発生したり、喘息(ぜんそく)の患者(かんじゃ)が増えたりします。

    光化学スモッグとは?
    日光によって汚れた空気が変化したもの(「光化学オキシダント」の濃度上昇によって空気に「もや」がかかる現象)で、のどのいたみ・目のいたみ・頭痛・咳などを訴える人が次々に出ます。

     

    光化学スモッグ注意報が発令されました、というニュースを見たことがあります。
    そう、光化学スモックが多く発生している場合、学校や幼稚園などでは、体育や外遊びがひかえられたりします。

    大気汚染が発生している地域では、夏の日差しの強い日に、「何」が発生して体調不良をうったえる人が出ますか?

    • 黄砂
    • PM2.5
    • 光化学スモッグ

    正解!

    不正解...

    正解は光化学スモッグです。

    光化学スモッグが発生すると、市区町村では、光化学スモッグ注意報を出して注意をよびかけます。

    問題に戻る

    悪臭

    よごれた空気や水などによって、いやなにおいが発生することです。

    いくつか、実際に起こった例をあげると・・・
    • 静岡県富士市・・・工場の排水により、ヘドロが発生し、悪臭の原因となった
    • 滋賀県琵琶湖・・・家庭からの汚水で、アオコが発生
    アオコって何ですか?
    藻(も)により、水面が青緑色のこなをまいたような状態になることで、こちらがそうですね。

    この投稿をInstagramで見る

     

    MIHO(@mie_popsugar)がシェアした投稿

    滋賀県にある琵琶湖(びわこ)では、家庭から出された汚水によって何とよばれる藻の大量発生が起こりましたか?

    • 赤潮
    • アオコ
    • ヘドロ

    正解!

    不正解...

    正解はアオコです。

    琵琶湖でアオコが発生した原因は、当時のせんざいに植物の栄養となるリンがふくまれていたことです。

    問題に戻る

    水質汚濁

    工場や鉱山の廃水(はいすい)、家庭の汚水(おすい)などによって、川や海がよごれることを水質汚濁といいます。

    川や海がよごれるということは、そこに住む生き物たちにも影響(えいきょう)をおよぼすほか、その生き物を口にする人間にも影響が出るというわけです。

    瀬戸内海などでは、プランクトンが異常発生し、赤潮(あかしお)が発生することがあります。

    赤潮(あかしお)とは、文字通り海がプランクトンの影響により、赤く色づくことをいいます。
    このような状態ですね。

    土壌汚染

    工場や鉱山などが出す有害な物質によって、土が汚染されることを、土壌汚染といいます。

    それにより、農作物や森林に被害(ひがい)が出るというわけです。

    足尾銅山が出した鉱毒によって、洪水が起こりやすくなったり、渡良瀬川流域に鉱毒が広まって農作物がかれたり、人体にも影響が出たとされる足尾銅山鉱毒事件が有名ですね。

    詳しくは、こちらをごらんください。
    関連記事)田中正造は何をした人?足尾銅山鉱毒事件を分かりやすく解説(中学受験の勉強の基礎固め)

    地盤沈下

    工場が地下水を大量にくみあげると、土地が落ち込む地盤沈下が起こります。

    また、炭鉱など石炭を広く採掘してきた場所では、空洞が多く、地盤がゆるんでいるために地盤沈下が起きたりもします。

    近年では、工業用水で再生水が使われるようになりました。

    そのため、地盤沈下は起きていませんが、反対に地下水がふえたことによって、地盤がうきあがる現象も起こっています。

    まとめ

    ポイントをまとめます。

    一般的に公害には、

    • 騒音・振動・・・高速道路や空港の周辺で起こる公害
    • 大気汚染・・・工場や火力発電所などから出た煙(けむり)や、自動車の排気ガスなどによって空気が汚れること
    • 悪臭・・・よごれた空気や水などによって、いやなにおいが発生すること
    • 水質汚濁・・・工場や鉱山の廃水(はいすい)、家庭の汚水(おすい)などによって、川や海がよごれること
    • 土壌汚染・・・工場や鉱山などが出す有害な物質によって、土が汚染されること
    • 地盤沈下・・・工場が地下水を大量にくみあげることにより、土地が落ち込むこと

    などの種類がある。

     

    • うめたて地に建てられた空港
    • 光化学スモッグ
    • ヘドロやアオコ
    • 赤潮

    などは、よく問題に出ます。

    覚えておきましょう。