今回は中学受験でも重要な「日本の工業」について学びます。

  • 工業の特色
  • 貿易の歴史
  • 問題点
  • 今後の課題

などについて、わかりやすく解説します。

途中に問題もありますので、解きながらしっかり理解を深めましょう。

日本の工業の特色とは?

日本の工業の特色って何ですか?

日本は資源が少ない国。
そのため、加工貿易をおこなってきました。

日本は、工業の原材料となる資源が少ない国です。
そのため、輸入した鉄鉱石や原油などを国内の工場で加工し、できた製品を輸出する加工貿易をおこなってきました。

日本の工業 加工貿易

 

 

 

日本の工業の特色は、原材料を輸入し、できた製品を輸出する(  )貿易です。

  • 生産
  • 加工
  • 流通

正解!

不正解...

正解は加工です。

資源が少ない日本の工業では、原材料を輸入し、できた製品を輸出する加工貿易をおこなってきました。

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しかし、近年ではこの加工貿易がうすれてきています…。

近年、日本では加工貿易の形はうすれつつあります。
その理由は、

  • 日本の工場が海外に進出し、「現地生産方式」をとるようになった
  • 中国インドネシアなどの国の工業が発展し、安い製品が手に入るようになった

ためです。

日本でつくる必要性がなくなってきているんですね…。

 

加工貿易がうすれつつある理由の1つは、日本の工場が海外に進出し、(  )方式をとるようになったからです。

  • 現地製造
  • 現地調達
  • 現地生産

正解!

不正解...

正解は現地生産です。

日本の工場が海外に進出し、現地の人々を雇って生産することを現地生産方式といいます。

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貿易の歴史

加工貿易がさかんだった日本ですが、1980年代ごろから海外に進出し、現地の人々をやとって生産する現地生産方式をとる会社が増えていきました。
とくに、さかんだったのは自動車会社です。

その理由を3つ説明します!

工場が海外進出した理由
  1. アメリカなどへの輸出(とくに自動車)が増え、貿易摩擦(ぼうえきまさつ)とよばれる問題がおこった
  2. 中国などアジアの国に、安い労働力を求めて進出した
  3. 円高が進み、輸出で利益が出なくなった

 

貿易摩擦って何ですか?

簡単に言うと、輸入と輸出のバランスが悪いためにおこる経済的な問題のことです。


日本の工場が、現地生産方式をとるようになった理由の1つは(  )という問題がおこったことです。

  • 貿易摩擦
  • 流通摩擦
  • 貿易衝突(しょうとつ)

正解!

不正解...

正解は貿易摩擦です。

日本の工場が、現地生産方式をとるようになった理由の1つに貿易摩擦があります。

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海外進出による問題点は?

日本の多くの工場が海外へ進出したことによって、国内では産業の空洞化が問題となってきました。
産業が空洞化すると、

  • 働く場所がなくなる
  • 技術力や競争力が低下する

といった問題が出てきます。

日本の工業 産業の空洞化

 

 

日本の工場が海外進出したことによって、国内では産業の(  )化が問題となっています。

  • 空洞
  • 減少
  • 不足

正解!

不正解...

正解は空洞です。

海外進出によって国内の産業の空洞化が問題となってきています。

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働ける場所がなくなるのは困りますね…。
そうですね。
とくに日本は中小工場が多いため、空洞化の問題は深刻です。

 

日本の工場は、働く人の数が300人未満の中小工場が多く、その割合は99%をこえています。
中小工場は規模は小さいですが、技術力の高さは世界からも注目されています。

しかし、中小工場は大企業の業績の影響を受けやすい面があります。
また、経営が安定せず倒産したり、後継ぎがいないといった問題も多くあります。

中小工場とは、働く人が何人未満の工場のことですか?

  • 300
  • 3000
  • 30

正解!

不正解...

正解は300です。

中小工場とは、働く人が300人未満の工場のことです。

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今後の課題

日本のこれからの工業は、

  • 高い技術をいかしたロボットなどの新しい工業製品の生産
  • 環境とともに歩むものづくり

が求められています。

環境とともに歩むものづくり、って具体的に何ですか?

リサイクルをしたり、地球にやさしい製品を開発することです。

近年の工業では、ペットボトルから衣類や文具をつくるなど、家庭や会社から出されるごみから新しい製品を生産するリサイクルの取り組みがさかんです。

また、地球温暖化や酸性雨などの環境問題対策のため、工場で使う電気を風力や太陽光で発電したり、環境をなるべくこわさない製品を開発する努力がおこなわれています。

とくに、自動車関連の開発がさかんですよ!

自動車関連会社では、エコカーの開発や、植物などから燃料をつくるバイオ(マス)エタノールの利用といった開発がさかんです。

エコカーの開発
  • ハイブリットカー:電気とガソリンを組み合わせて走行する車
  • 燃料電池自動車:水素を燃料として発電し、水だけを排出する車
  • EV(電気自動車):電気で走る車

 

日本の工業 エコカー

 

ハイブリットカーは地球にやさしい車だったんですね!!

「エコカー」のうち、電気とガソリンを組みわせて走行する車を何といいますか?

  • 燃料電池自動車
  • ハイブリットカー
  • EV

正解!

不正解...

正解はハイブリットカーです。

ハイブリットカーは、電気とガソリンを組みわせて走行する車です。

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まとめ

ポイントをまとめます。

  • 日本の工業の特色は、原材料を輸入し、できた製品を輸出する加工貿易である
  • 現地生産方式をとるようになったのは、アメリカなどへの輸出が増え貿易摩擦が起こったことや、安い労働力を求めたこと、円高が進んだことなどが理由である
  • 海外進出によって国内では産業の空洞化が問題となっている
  • 日本の工場は、働く人の数が300人未満の中小工場が多く、その割合は99%をこえる
  • 温暖化対策のため、太陽光発電をおこなう工場が出てきている
  • ハイブリットカー、燃料電池自動車、EVといったエコカーの開発がさかん

とくに、工業の特色がどのように変化していったのかをしっかりと理解しておきましょう。